sakura

母の死から学んだこと

3週間ほど更新が滞りました。実は、4月3日に母が急性心不全で急逝したため、急遽一時帰国をしていた次第です。59歳とあまりにも若い母の死を父から国際電話で知らされたときは、あまりの衝撃で悲しいやら悔しいやらわけが分からないくらいの感情が渦巻いて、現実のこととして上手く受け止められませんでした。前日の夜にSkypeで話したばかりなので、信じたくなかったし簡単に信じられませんでした。でも連絡を受けたので、とりあえず会社に連絡して帰国するわけですが、荷造りしているときも飛行機の中でもまったくリアリティがありませんでした。母が本当に死んだということを認識したのは、実家に戻って、居間の中央に鎮座している棺桶を開いて、母の顔を見たときでした。

 

通夜および葬儀は、関西の父方の親族たちが上京してくれて色々とサポートしてくれました。僕と父だけでは、スムーズに事を運ぶことはできなかったでしょう。通夜は親族だけで執り行いましたが、葬儀には母の友人の方々やその他お世話になった方々に参加していただき、快晴の中、桜吹雪の下で母を送り出すことができました。こんな綺麗な光景で旅立った母は、最高に幸せだと思います。

先週末までの日本滞在中は、相続の件、残った明細書・請求書の処理、家の片付け、その他書類手続き等で忙殺されていました。父と集中的に取り掛かったのですが、父も私もこういうことは今回がほぼ初めての経験でしたので、ひと段落させて仕事に復帰するまで3週間も時間が掛かってしまいました。

 

母の突然の死は大きな不幸ですが、多くのことを気づかせてくれた体験でもありました。喪失感などのネガティブな面ばかり見ても自分だけがふさぎこむだけなので、違う側面から母の死を見つめてみようと思います。

 

家族はとても大切である。

言われるまでもなく非常に当たり前のことであるけれど、改めて互いに支え合える家族の存在の大きさが身に染みました。楽しいことは一緒に喜べるし、辛いことは共有して和らげることができる。家族は大切です。現在、日本を離れて海外で仕事をしている身としては、「何処で」「誰と」家庭を築くかということが頭をよぎるようになりました。

 

人間は死んでからも人の世話になる。

人間は一人では決して生きていけないです。身の回りにあることや物は大半が誰かにお膳立てされたもので。出来合いの食べ物はレストランで調理され、食材だって農家・漁師・畜産業の方々が丹精こめて作り上げたものです。衣類だってどこか別の国で大量生産されたもの。結局、こうして生きている今この瞬間だって、顔も知らないどこかの誰かに支えられているわけです。生きている間だけじゃなく、死んでしまった後も、その後の世話を誰かに頼らないといけない。家族が大切ということにも通じるけど、やっぱり死んだら家族の手で最後の処理をしてもらいたいと思います。

 

「死」は必ずやってくる。「死」を意識したら本気になれる。

漫画やアニメの世界にあるような不老不死って概念は、現実世界にはなくて、どんな人にも平等に死はやってきます。それは、ずっと先のことであるかもしれないし、母のように突然やってくるかもしれません。スティーブ・ジョブスはスタンフォード大学の卒業式でのスピーチで、「自分がまもなく死ぬことを覚えておくことは人生の重要な決断を助けてくれる最も重要な道具だ」と語りました。この言葉の言わんとするところを、母の死を通して、今は何とか理解することができます。これまでの人生の中で葬儀に参列したことはこれまで何回かあるけれど、恥ずかしながら、今回自分の最も親しい家族の葬儀の喪主側となることで初めて、「死」というものを身近なものとして認識することができました。人間はいつかは死ぬ。僕もいつか死ぬ。命は有限だから、一秒たりとも無駄にしたくない。実行するのは難しいけれど、「明日が人生最後の日である」という心持ちで日々がむしゃらに生きてみようという考えに至りました。

 

家族の間で情報共有しよう。

これは手続き的な面についてのアドバイスだけれども、家族という共同体を運営していくに当たって、家族のメンバー間で重要な情報は共有するべきだと今回痛感しました。特に、家族という組織のトップである、夫婦の間では。家族を「組織」と捉えれば、組織のメンバー間で密な情報交換・情報共有は組織運営を円滑にしていく上で肝となるのは常識ですよね。家族も組織なわけですから、この理屈はそれほど的外れではないはず。例えば、僕の今回の経験から例を出すと、家族のお金の流れがどうなっているのかを家族の主要メンバーは理解しておくべきです。我が家では、光熱費とかその他支払いの管理にも母が大きく関与していたので(父や僕は生活費や仕送りを渡すだけでした)、その金額の流れ方を僕も父もほとんど把握してませんでした。光熱費はどの口座から引き落としになるのか、祖母のデイサービスの支払いはどういう方法なのか、口座の暗証番号は何か、通帳やカードはどこにあるのか。。。母の身の回りや家の整理をしていく中で書類を1つずつ整理して、役所や銀行に電話して、家のお金の流れを理解していくという煩雑極まりない状態でした。混乱状態のせいで、支払いが少し遅れてしまったこともありました。。。予め家族間で、家の基本的な仕組みを話し合っていれば、スムーズに引き継ぎができたのかもしれません。きっと皆さんのご家庭でも、奥さん(またはお母様)が家の切り盛りをしていることだと思います。もしもの場合を想定して、家族間で重要な事柄について話し合っておけば、残された家族の混乱を和らげることができるはずです。

 

母の死後から3週間経って、僕も父も新しい生活にそれぞれ歩み始めることとなりました。「これからのキャリアをどうするのか」、「家族との接し方はどうあるべきか」、決断しなければいけないことは山積しています。しかし、ただ立ち止まって「ああでもない、こうでもない」と思案して行動しなかったり、悲しみに浸ってるだけなのは時間の無駄であるし、母もそんなことは望んじゃいないと感じるので、今はとりあえず自分の直感と心に従って行動します。さすれば、自ずから道が見えてくるでしょうね。

Photo: Some rights reserved by Hiroyuki Murakami

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