朝だけの、とある出会い

私には朝の通勤途中に1つの楽しみがあります。

 

たった一瞬のすれ違いですが、通り過ぎるのを見掛けることができたら、
なんだかその日一日幸せに過ごせることが確約されたような気分になります。

 

それは、2台のクルマ。

 

1台は、真っ赤なアバルト。
イメージできるように似た色を出すなら、ジブリ映画『紅の豚』でポルコ・ロッソが駆る飛行機の赤のような。
外観のシンプルな装飾から察するに、おそらくアバルト500。

 

朝、いつもの時間に家を出て駅に向かうために通りに出ると、聞こえてくるのは、スポーツカー特有のチューンされたエキゾーストノートとエンジンの回転音。
フィアット特有の、小動物のようなかわいらしい赤いボディのクルマが曲がり角から姿を表します。
モンスターマシンのような凶暴な音と、その対極にあるような軽自動車の形のギャップが堪りません。

 

ステアリングを握っているのは、40代後半~50代始めの男性。
イタリア車であるアバルトにピッタリ合うようなお洒落なジャケットが印象的です。
記憶に残っている、とある日の装いはキャメル系統のツイードのジャケットでした。

 

あんな洒落たクルマで通勤出来たら最高だなぁ。

 

朝の通勤で楽しみにしているもう1台は、フォルクスワーゲンの白いビートル。
ニュービートルでもなく、ザ・ビートルでもなく、タイプ1です。

 

(ビートルのデザイン変更の変遷は、現代のクルマのデザインのカッコ悪さの象徴だと思います。みっともなくて悲しくなるけど、その話は別の機会にでも笑)

 

こちらは大分年季が入っているのか、エンジン音はエンジン音はちょっと粗い感じ。
でも、オーナーさんが大事に長く載り続けているのが分かるような、クルマ自体が走るのを楽しんでいるような音。
それはまるで、猫が撫でられて喉をゴロゴロ鳴らしているような音です。

 

この白いタイプ1を運転しているのは、60代くらいの男性。
助手席に白いプードルを乗せていて、見ているだけでほっこりして口角が少し上がってしまいます。
道を急いでいる様子はなく、特に目的もなく朝のドライブを満喫しているような優雅さが、彼の運転から漂ってきます。

 

颯爽と街を駆け抜けていく赤いアバルト。
ゆったりとタイヤを前に転がしていく白いビートル。

 

この対照的な2台と遭遇するのが、朝の通勤の楽しみです。
走り去っていく後ろ姿を目の端で追うたびに、いつかこんな品の良いクルマを持とうという気持ちにしてくれます。

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